@article{oai:toyama.repo.nii.ac.jp:00004586, author = {岡崎, 扶美 and 北川, 順子 and 地田, 千枝 and 星野, 一宏 and 赤壁, 節子 and 諸橋, 昭一}, journal = {富山大学工学部紀要}, month = {Feb}, note = {application/pdf, Pacific yew tree have been used as ethnomedicals (aborthfacient, antiseptic agent etc.) for along time, and it become clear in the 1960's that a trace of pharmacological component existed in the bark extract, Taxol, has significant anticancer activity. However, new problem concerning the decrease of sources is recently occurring in USA to cut down unplanned the yew tree. Therefore, we established the cell suspension culture from Japanese yew tree (Taxus cuspidata). In this study, secretory production Taxol by shaking culture of the growing cell was investigated. As a result, it was found that the growing cell and medium recovered after the culture of 54 days were contained high concentration of Taxol. Moreover, by adding L-Phe to medium at the level of 0.5 mM, the amount of Taxol secreted in the medium can be 1.2-fold high than that without L-Phe., イチイの樹皮は古来より毒物として用いられ,民間薬レベルとして,消毒薬,あるいは,堕胎薬に使用されてきた。1960年代になって,イチイの樹皮抽出物中から精製された薬理成分Taxolが,新しい抗癌剤として利用できることが判明し再び脚光をあびるようになってきた。従来から用いられている抗癌剤シスプラチンは,癌化した細胞がDNA複製のために二重螺旋をほどいて二本にする過程を阻害する。また,クロラムブシルは,DNAの特定の部位に化学結合し,癌化した細胞内の二本鎖のDNAに欠損を生じさせ,細胞を死滅させる作用がある。 ところが,Taxolは,癌化した細胞中に存在する微小管に特異的に結合する。この微小管は,重合し紡錘糸となって,母細胞の左右両極へ染色体を引っ張り寄せる役目をはたし二つの娘細胞に遺伝子の完全なセットを確保する。したがって,Taxolは微小管の重合・脱重合を阻害し,細胞分裂を阻止することにより抗癌作用を発揮する全く新しいタイプの抗癌剤である。さらに,耐シスプラチン化した乳癌,子宮癌,肺癌等に対して極めて有効であるとの報告がなされ有望視されている物質である。このような背景から,太平洋イチイ(Taxus brevifolia)の樹皮よりTaxolを抽出する試みがなされ,薬剤の生産がなされるようになったが,イチイの樹皮より回収できるTaxol量は木1kg当たりおよそ0.1gしかなく,さらに木の成長が大変遅いため,治療に利用できるだけのTaxolを確保することは困難な状況になってきた。それ故,多くの科学者によりその化学合成が試みられ1994年に,米国の二つの研究グループによりその化学合成が報告されたが,医療現場から要求される需要にはほど遠く,効率的な全合成法の確立が望まれている。したがって,現在,Taxolを確保する最良の道は,イチイの増殖細胞を用いてTaxolを生産させる方法である。 そこで,本研究では本国で入手可能な日本イチイTaxus cuspidataの増殖細胞を用いたTaxolの連続分泌生産を最終目標として,日本イチイの増殖細胞培養系を確立し,その細胞を用いてTaxolを培地中へ効率よく分泌させることを検討した。, Article, 富山大学工学部紀要,50, Page 39-43}, pages = {39--43}, title = {イチイ増殖細胞による新規抗癌剤Taxolの分泌生産}, volume = {50}, year = {1999} }