@article{oai:toyama.repo.nii.ac.jp:00004154, author = {中谷, 訓幸}, journal = {富山大学工学部紀要}, month = {Mar}, note = {It is proved from the domain wall model calculated by Fousek [Japan. J. Appl. Phys. 6(1967)950] that the vicinity of the wall has higher dielectric constant than that of the single domain crystal. This increase of the dielectric constant is directly proportional to the perimeter of the domain. From this proportionality and the experimental result by Gilletta [phys.stat.sol. (a)11(1972)721], the wall thickness(900Å) and the wall energy density (41.4erg/cm^2) are obtai ned. It should be noted that this model is quite appropriate to this material., 硫酸グリシン(以下TGSと略す:(NH_2CH_2COOH)_3・H_2SO_4)は典型的な2次の強誘電的相転移を示す物質として多くの研究がなされている。 この物質の示す種々の性質が,熱力学的に予想されるものとかなり厳密に一致することが「典型的」といわれる理由であろう。 しかし,そのキュリー点(T_c=49℃)以下の強誘電相においては,かなり複雑な性質を示すことが知られている。 たとえば,最も基本的な量の一つである誘電率をとりあげても,常誘電相では極めて厳密にCurie-Weissの法則に従うにもかかわらず,強誘電相では研究者によってかなり異なるデータが報告されている。 結晶の作製法・試料の大きさ・電極の種類・前処理の方法等の差異が影響を与えているものと思われる。 いずれにしろ,強誘電相において結晶が強誘電的分域にわかれるということ,換言すれば,分域壁(domain wall)の存在が誘電率に影響を与えているのであろう。 単分域化(いわゆるpoling)することによって誘電率が低下すること,あるいはまた,熱処理(T_c以上に加熱)後には誘電率は大きくなり,その後時間の経過とともに次第に小さくなることと,熱処理後分域構造が非常に微細になり,その後時間の経過とともに次第に粗くなること(本稿の§2参照)を考えあわせると,分域壁の存在の影響は明白である。 そしてGillettaは多分域結晶と単分域結晶との誘電率の差が,分域壁の長さに比例することを示した。 それでは分域壁はいかにしてこの余分の誘電率を持つのであろうか。 誘電率の測定のために結晶に加えられる電場が分域壁を動かすため(domain wall motion effect)とこれまで考えられてきたが,通常の分極反転機構ではこの誘電率を説明するのには不十分である。 ましてや,低い周波数での誘電分散がほとんど報告されていないことを考えれば,このような効果は普通の誘電率測定の際には無いものと思われる。 本論文は,ZhirnovおよびFousekの示した分域壁モデルを用いれば,分域壁近傍ではより大きな誘電率をもつこと,そしてそれがGillettaの報告したデータと一致することを示すとともに,この分域壁モデルがかなり現実に近いものであることを主張するものである。, Article, 富山大学工学部紀要,25}, pages = {117--122}, title = {硫酸グリシンの強誘電分域壁の誘電率への寄与}, volume = {25}, year = {1974} }