@article{oai:toyama.repo.nii.ac.jp:00016443, author = {高木, 佐和子}, journal = {富山大学日本文学研究}, month = {Jul}, note = {application/pdf, 小川洋子『まぶた』(新潮社二〇〇一・三、新潮文庫二〇〇四・一一、本稿での引用底本は文庫版)は、一九九三年から二〇〇〇年にかけて雑誌に発表した「お料理教室」 (『文学界』一九九三・ニ)・「中国野菜の育て方」(『中央公論文芸特集』一九九三春季号)・「詩人の卵巣」(『小説すばる』一九九四・一〇) ・「まぶた」(『新潮』一九九六・九)・「バックストローク」(『海燕』一九九六・一一)・「飛行機で眠るのは難しい」(『一冊の本』一九九六・―二)・「匂いの収集」(『サントリークォータリー』一九九八・八)・「リンデンバウム通りの双子」(『新潮』二〇〇〇・一〇) の八篇を収録している。 本稿では、本文の傾向をもとに『まぶた』を大きく三つに分類し、各作品について論じるとともに『まぶた』の全体像を探っていく。まず、小川がアンネを巡る旅に出る以前の初期作品(「中国野菜の育て方」「お料理教室」)を考察し小川洋子作品全体を支える特徴を見出す。斉藤環氏は「お料理教室」において、食品は封印と増殖が描かれており、不安定さを象徴する存在であると指摘するが、小川洋子の作品全体の不安定さは食だけに限らないだろう。次に表題作「まぶた」を中心とした暴力を感じさせる三作品(「まぶた」「匂いの収集」「バックストローク」)、そして「書くこと」を中心とした三作品(「飛行機で眠るのは難しい」「詩人の卵巣」「リンデンバウム通りの双子」)について考察する。最後に作品を読解することで可能になる短編集『まぶた』全体の解釈を考える。本研究を通して、小説を通して小川洋子が描き出す物語観が多様で単一の視点にとどまらない深い魅力を含んでいることを提示する。, Article, 富山大学日本文学研究, 4号, 2018.7.30, Page 1-18}, pages = {1--18}, title = {小川洋子『まぶた』論 : 物語と視差}, volume = {4}, year = {2018} }