@article{oai:toyama.repo.nii.ac.jp:00013829, author = {丸野, 政雄}, journal = {和漢薬研究所年報 = Annual Report Research Institute for Wakan-Yaku, Toyama Medical and Pharmaceutical University}, month = {Sep}, note = {医薬品による重篤な副作用の発現は科学的には主として三つの要因による。第一に物質としての医薬品が正品でない,或いは功能と副作用が明確でない,第二に医師の使用が適正でない,第三に医薬品が正品で,功能と副作用も明確であり,かっ医師も最大の努力をしたにも拘わらず患者の反応が異常で、全く予想できなかった,等以上三つの要因による。それ故,医薬品製造業に携わるものは,たえず厳しい目で製品をチェックしなければならないし,医師は慎重に患者に投薬し,たえず観察を続けねばならない。また患者自身も自己の身体に於ける反応を如実に医師,薬剤師に反映しなくてはならない。三者の正しい協力なくしてはいい治療は望めない。この過程で少しでも拝金思想に侵されると,科学的眼光が曇り,判断をあやまり,甚だしくは不必要な悲劇をも招きかねない。 最近正品でない生薬が薬材として使用されたため副作用が発現した例として“防己”と“木通”を取り上げ,前車の覆を後車の戒めとしたい。 かつて故楼之本北京医科大学薬学院教授は,multiorigin薬材の問題に触れ,originの差異の程度に基づき,それらを四つの類型に分けた。第一類は基原植物が同じ科でない薬材(例えば木通,防己,威霊仙),第二類は同じ科であるが属が異なる薬材(例えば黄香,紫草,漏芦),第三類は同じ属であるが種が異なる薬材(例えば麻黄,黄柏,黄連,大黄),第四類は同じ種であるが使用部位が異なる薬材(例えば大蔚,細辛)と分け,第一,二類は問題が大きい,それに比して第三,四類は問題は小さい,しかし疎かにしてはいけないと述べている。筆者はかつて故人の知遇を得た。また防己の成分研究にも携わってきた。それ故筆を執り,第一類に属する生薬“防己”と“木通”を物質面からも解析し,薬材の本来の姿を明らかにし,医薬研究者としてのしかるべき責務を果たしたい。, Article, 和漢薬研究所年報, 第24巻, 1998.09.10, Page 1-6}, pages = {1--6}, title = {"防己"と"木通" : 物質面からの解析}, volume = {24}, year = {1998} }