@article{oai:toyama.repo.nii.ac.jp:00013744, author = {田畑, 真美}, journal = {富山大学人文学部紀要}, month = {Aug}, note = {本稿の目的は,戸田茂睡(1629-1706)の『梨本書』で言及されている「まことの道」がどのようなものか,その内実を明らかにすることにある。問題意識については,前稿「「まことの道」考(1)」を引き継ぐものである。すなわち,「心だにまことの道にかなひなば 祈らずとても神や守らん」という古来日本人に親しまれてきた和歌にある「まことの道」の内実を,倫理的要素及び宗教的要素両面から考察し,それがいかなる形で日本人の価値観の根底をなしているのかを明らかにすることが,課題である。前稿でも指摘したように本書には,これもまた中世から近世にかけての日本人の倫理観の指標と言える三社託宣と,「まことの道」との内的関連を考察するにあたり,有効な手がかりとなりうる材料が示されている。三社託宣とは,伊勢,八幡,及び春日の神々からの託宣で,それぞれ正直,清浄,慈悲の徳目を示すものである。本書の軍事を巡る問答においては,この三社託宣における正直,清浄,慈悲の三つの徳目が真理に到達するための徳目として位置づけられていた。ここでいう真理とは,本書の本文に言う「本」もしくは「元」のことである。加えて本書にも,件の和歌を用いた神道理論が示されており,ここでも「本」(以下,「元」に統一する)をおさえることが重要な課題として挙げられている。以上から,「元」とは何か,「元」を知るとはいかなることかが,今回の考察のキーポイントとなると言える。 本稿では三社託宣に関する箇所を踏まえながら,本書から読み取れる神道を巡る戸田茂睡の見解を明らかにすることで,本書における「まことの道」の輪郭を少しでも浮き彫りにすることをねらいとする。そして,そのことによって江戸前期の思潮の特質を明らかにする一助とし,ひいては日本人の倫理観の根底に流れるものを掘り起こす切り口としたい。, Article, 富山大学人文学部紀要, 65号, 2016.08.22, Page 1-20}, pages = {1--20}, title = {「まことの道」考(2)}, volume = {65}, year = {2016} }