@article{oai:toyama.repo.nii.ac.jp:00012904, author = {矢野, 三郎}, issue = {1}, journal = {富山医科薬科大学医学会誌}, month = {Mar}, note = {1953年に医学部を卒業して以来, ちょうど38年間,研究者として何をやってきたかと顧みると, 内心忸恃たるものがある。臨床家としての医学研究のあり方というものがいつも問題になるが, 研究というからには基礎も臨床も本質的にというか, 研究のレベルと質に差があってはならないと思う。昔から「お医者さんの研究」とよばれているような甘さがあってはならないというのが私の考えであった。事実,こういう立場で研究を行ってきたし, また指導してきたつもりである。しかし38年間もかかってどれだけの実りある成果をあげてきたかと問われると, まことにお組末だといわねばならない。38年も研究をやっていると論文の数だけは多くなるが, 100年後といわなくても, これから1 0年後に参考論文として引用きれるものが, どれだけ残るかというと, きわめて数少ないと思う。このようなわけで, 最終講義として何をテーマにすべきかといろいろ考えたが, 結局, この38年間,一貫してとりくんできたのが「甘草と副腎皮質ホルモン」なので, 本日はその研究の概略をお話しきせて頂きたいと思う。第l 内科には内分泌,糖尿病,臨床免疫,動脈硬化,呼吸器の5 つのグループがあり, それぞれ活発な研究を行っているが, 本日はこれら全般についてお話しすることができないのを残念に思う。なお, 本日のテーマに関しては和漢薬研究所金岡又雄助教授, 第一内科加藤弘己助教授のご協力によるところが大きい。はじめに心から感謝する。 さて, 甘草が薬としてこの世の中に登場したのは二千数百年前であるといわれている。なぜ人間が甘草を薬として見出したのか興味ある問題であるが,おそらく甘草( グリチルリチン) のもつ甘味によるものであると思う。日本では昔から漢方薬の配合剤として広〈用いられてきたが, 欧州でも同様であって, いろんな薬の甘味剤として用いられてきた。またlicorice candy としても欧米で普及している。1946年, この甘草に副腎皮質ホルモン様作用のあることが見出され, 1950年にはその本体がグリチルリチンであることも明らかにされた。, Article, 富山医科薬科大学医学会誌, 5(1), 1992.03, pp.40-42}, pages = {40--42}, title = {甘草と副腎皮質ホルモン}, volume = {5}, year = {1992} }